ワタシの中で
“絶対に断捨離の対象にならない靴” というのがいくつかあります。
その1つが
『レッドウィング・ポストマン』
スーツを着ていたサラリーマン時代から、
フリーランスとなった今もずっと足元を支えてくれる愛おしい定番。
今回はそんなポストマンについて。
こんにちは、イシキ(@isiki6)です。
1つのアイテムを長く使いたい人や、
何にでも合うオールラウンダーが好きな人、
または純粋に「定番アイテム」が好きな人。
そんな人がよく口にする
レッドウィングの「ポストマン・オックスフォード (POSTMAN OXFORD)」
実際に持っている・持っていない、は別として、
一度は購入候補にあげたことがあるのではないでしょうか。
詳しくは本文でご紹介しますが、
名前からもわかるように
ポストマンはもともと
制服を着て働く公務員 (郵便配達員・警察・駅員) の靴「サービスシューズ」
として履かれていたため、
・非常にタフでお手入れも簡単、
ソールは滑りづらく、1日中歩き回っても疲れないクッション性、といった【機能美】
・スタンダードな「オックスフォード」で完成されたフォルム、
ドレス、カジュアルどちらにも振れる【デザイン美】
・1954年発売から変わらず愛され続ける【66年の歴史】(2020年現在)
そう、
攻守ともに隙がない。
もはや「流行り廃り」なんて次元じゃない、
とても優秀なオールラウンダーなんです。
今回はそんなポストマンについて、
・前半では「ポストマンの詳細や説明」
・後半では「サイズ感・経年変化」
をご紹介したいと思います!
RED WING【ポストマン】とは
レッドウィング (REDWING)
『ポストマン・オックスフォード101』は
1954年に登場。
発売当時は
警察官や郵便配達員、駅員 (ステーションオフィサー) 用の靴【サービスシューズ】
として
“制服にも似合うように” とフォーマルにデザインされた短靴だったのですが、
USPS (アメリカ合衆国郵便公社) に公式で採用されてからは
正式に『ポストマン』の愛称で呼ばれるようになりました。
出典:https://www.redwingonlinestore.jp
レッドウィングポストマン#101の仕様
レッドウィングのポストマンの中でも
代名詞的存在「オックスフォード #101」の
スペックから、まずは見ていこうと思います。
レッドウィング:ポストマン#101のスペック
- スタイルNo.:101
- レザー:ブラック・シャパラル
- ソール:ブラック・クレープソール
- 製法:オールアラウンド・グッドイヤーウエルト
- ラスト:No.210
- ワイズ:D
- サイズ:US6(24cm)〜US11(29cm)まで0.5刻み
(US12、US13もあります) - 生産国:アメリカ
きっとスペックだけ見ても
“ポストマンらしい特徴” がわからない (…はず) なので、
さらに詳細を見ていこうと思います。
ポストマンの特徴は圧倒的な【機能美】
デザインは完成された
美しいフォルムの「オックスフォード」
フォーマル (ドレス)・カジュアルどちらでも使える至ってスタンダードな革靴。
あまりに定番のオックスフォードなのですが、
じゃあ、なんでレッドウィングのポストマンはこんなに人気なの?
というところ。
これはもう【圧倒的な機能美】にあると思います。
ぜひ郵便配達員になったつもりで、
特徴を見てみてください!
ポストマンの代表的な機能・特徴
- 光沢がありながら雨に強く、お手入れも簡単な「シャパラルレザー」
- 長距離を歩いても疲れない「クッション(クレープ)ソール」
- ASTM試験にも合格する「SLIP RESISTING」
シャパラルレザー / CHAPARRAL LEATHER
まずは
アッパーに使われている「シャパラルレザー」
「シャパラルレザー」は
いわゆる「ガラスレザー」と同じような特徴のレザーで、
デリケートなレザーではなく
実用性を重視した耐久性を持ったレザーになっています。
表面にコーティング加工を施すことで雨にも強く、天候に関係なく履くことができるため、
365日配達するポストマンから絶大な信頼を得ていたのも俄然納得。
また、メンテナンス・お手入れもとても簡単で、クリームやブラッシングなどの基本メンテナンスはもちろんOKですが、
“固く絞った布で濡れ拭き” するだけでもかなりキレイな状態を保つことができます。
革に対して神経質にならなくて良いため、
本当に毎日でも履けるリアルクローズ。
革靴初心者でも安心して履くことができます。
反対に、磨けば磨くほどしっかり艶・光沢も出せるので、
エイジングや経年変化がしっかり楽しめるのもポストマンの魅力。
現行のポストマンは光沢を抑え、ややマットな質感になっているのもgood!
- がっつり磨いてドレスライクに
- 適度に磨いてカジュアルに
- ガシガシ履いてワークシューズに
なんて懐が深い!
美しいフォルムもさることながら、
簡易派にも本格派にも対応してくれることが
ポストマンを不動の人気に押し上げているのではないでしょうか。
クッション(クレープ)ソール
ソールは衝撃を吸収、疲れを軽減する
「クッションクレープソール」
※トラクショントレッドソール
「疲れない革靴」としても有名なポストマン。
当時は現代と違って
重い手紙 (紙) を肩にかけて何キロも何キロも
配達をしていたのが郵便配達員。
そんな配達員の足元を公式採用で支えていただけあって、
疲れない(疲れづらい)ことは折り紙付き。
また、ソールがフラットになっているのは
きっと映画やドラマで見たことがある、
あのアメリカンな広い庭の…
芝生を傷つけない、痛めないため。
なんとも粋じゃないですか。
表面的な格好良さより、
こういう背景にグッときます。
ソール交換する時はぜひフラットなソールに!
SR/USA タグ
最後にここは触れておきたい、
「SR/USA」のタグ。
SRとは「SLIP RESISTING」の略で、
【滑らない・滑りにくい】という意味。
このタグは “なんとなく” で付けられるタグではなく、
ASTMインターナショナル (旧米国材料試験協会) 規格に合格しなければ付けられない本物の証。
※さらに細かくは[ASTM F2913-11 SATRA Test Method TM144 Standard for slip resistance.]
こればっかりは「試してみて!」としか言えないのですが、
唯一ポストマンを履いて滑ったことがあるのは
真冬の雪でツルッツルになったマンホールの上だけ。
普段は雨の日でも「危なかった」と思ったことすらないので、
今思うと本当にSRは伊達じゃないんだなと。
ポストマンの種類
ここまでは「ポストマン・オックスフォード101」の特徴を見てきましたが、
レッドウィングのポストマンは他にいくつか種類があります。
この記事を書いている2020年8月現在では
公式で4種類の展開があるので、
他の3種類を簡単に見ていこうと思います!
ポストマンチャッカ #9196
「オックスフォード#101」のチャッカブーツバリエーションとして登場した
『ポストマン チャッカ #9196』
ポストマンといえば「オックスフォード #101」か、この「チャッカ #9196」のどちらか、
というほど二大巨塔。
基本的な仕様は「#101」と変わらず、
チャッカは丈が高くなっていることで
雨やホコリをより防いでくれるようになっています。
好んでチャッカを選ぶチャッカラヴァーがいるほどで、何より純粋にカッコいい。
ポストマン ラフアウト #9112
オックスフォードの「ラフアウト #9112」
こちらは素材違い、
「スエードのポストマン」になります。
※厳密にいうとラフアウトとスエードは違うのですが
ブラックのラフアウトレザーは
「アビレーンレザー」というドライなレザーを使用しているため、
メンテナンスでオイルを与える必要なし!
基本はcrepなどのシューケア防水スプレーで保護し、汚れが目立ってきたらブラッシング、という流れになります。
メンテナンスが簡単という意味でも「#101」を踏襲した、まさにワークシューズ。
REDWINGからはスエード専用のクリーナーも出ているので、一緒に購入しておくと便利だと思います!
ポストマン GORE-TEX #9183
2020年の新作として登場した
待望の「ポストマンGORE-TEX #9183」
シャパラルレザーでさえ雨の耐性が優れている上、
さらにゴアテックス仕様になったため
ある意味予想通り、超人気。
フットウェアではよく
「GORE-TEXになると、
性能と引き換えに見た目が安っぽくなる」
ということが起こるのですが、
REDWINGのポストマンはこの “残念感” を
完全に覆してきました。
ポストマン・オックスフォード最大の特徴であるワンピースヴァンプはそのままに、ゴアテックスを使用して防水仕様としたモデルです。ライニングにゴアテックスメンブレンを施したキャンブレル(不織布素材)を使用し、防水性を高めるために袋状となったブーティ構造を用いています。ライニングのインソールにあたる部分にはシンサレートを使用し、さらにゴアテックスの下に隠れているインソール表面にはポロンを使用してフィッティングとクッション性を高めています。
レザーには「ブラック・ユーコン」を使用。牛革のなかでも特に上質な部分を原料とし、そのなめしの段階で特別なプロセスを経て、防水性を持たせたレザーです。通気性も同時に高く確保されており、GORE-TEX最大の特徴のひとつである透湿性能を妨げないように通気性も持たせてある防水レザーとなっています。通気性を持つことで靴内部の熱を逃がしやすくなっております。
※「ブラック・ユーコン」レザーはすでにRED WING SHOE COMPANY内でもWORK部門やVASQUEにて、GORE-TEX素材を用いた防水機能製品に使用されている実績のあるレザーです。参照:https://www.redwingonlinestore.jp/
ゴアテックス仕様にするとともに
レザーをさらに上質な素材に変えてくるとは。
REDWINGの本気が見えますね…。
ポストマンのサイズ感
ポストマンはワイズ (ウィズ) がDとなっているのですが、
この “Dワイズ” が中々厄介。
というのも、
もっとも意見が分かれやすいワイズの1つなんですね。
ワイズとは簡単にいえば「靴の横幅」のことで、
(狭い)← A・B・C・D・E・EE →(広い)
このように変化していきます。
そして…ご覧のように
Dは大体真ん中あたりなんです。
そのため、人によっては「普通」という意見もあれば、「ちょっと狭い」という人もいます。
甲の高さや幅など、足型によって感じ方が違うんですね。
上記を踏まえた上で、
ポストマンのサイズを選ぶ際は
普段のスニーカーサイズより【ハーフサイズ下げる】ことをオススメします。
おそらく、(ちゃんとした) 靴屋で購入する際も同じことを言われるはずです。
何よりREDWINGの公式でも明記されています。
ポストマンのサイズ感
- 一般的なスニーカーより大きく作られている
- 革は履き込むことで多少伸びる
- ☞普段のスニーカーサイズよりハーフサイズ下げる
新品ではレザーが硬いので、
ハーフ下げると「あれ…失敗したかな」と思ってしまいがちなのですが、履き込むことで革が伸び、しっかりと足に馴染んだジャストサイズに。
参考までに、
ワタシの場合はスニーカーのジャストサイズで27.5cm、
ポストマンはハーフサイズ下げた27cm(US9)で全く問題ない&どこも痛くならずに履けています。
「いや…どうしても心配」ということであれば、
Amazon Wardrobeなどの試着・返品サービスがオススメ。
ワードローブサービスの対象になっている時期となっていない時期がありますが、
「どうしても!」という際は利用してみるのもアリだと思います!
10年のエイジング・経年変化
最後に、
レッドウィングポストマンの経年変化・エイジングを写真でお届けしたいと思います。
実はレッドウィングのポストマン、
一時期販売終了したことがありまして (確か2000年代前半)、当時はとんでもない価格で二次流通していたのですが、何年か後にやっと復活したんですね。
今回はその復活した時に即購入したモデルになります。
…なので (たぶん) 約10年選手!
短く見積もっても7〜8年。
アバウトですみません…
ではさっそく!
どうでしょう、
年数の割には健闘しているような気がします。
ちなみに、
このポストマン、
正直ほとんどメンテナンスしていないんです。
ほとんど、というより「まったく」の方が近いくらいで、履いて帰ってきたらタオルでパッパと叩くくらい。
そんな雑さでこのレベル。
ポストマンのポテンシャル、凄くないですか。
ただ、あまりにもメンテナンスしていないので
レザー自体の保湿が…
さすがにクリームを塗ろうと思います。
次に、インソールやライニングはこんな感じ
味が出てますね。
かかと部分のライニングは擦れが出ていますが、ダメージは表面だけでまだまだいけます。
最後は「SR」を掲げるソール。
フラットソールでも中央付近はほとんど無傷です。
かかと部分は減ってはきているものの、
まだソール交換するレベルではない感じ。
対してトゥ (つま先) 部分。
ヒールに比べると減りが強く出ています。
通常、つま先よりヒールの方が減っていくものなので、
いかにSRのグリップに頼った歩き方 (止まり方) をしていたのかがよくわかる…。
エイジングや経年変化、
といっても大したものでなくて恐縮ですが、
SNSなどで誰かに見せるためではなく、
リアルに履き込んだ状態のポストマン。
質実剛健。
迷ったときはよかったら参考にしてください!
レッドウィング・ポストマン:まとめ
- 光沢がありながら雨に強く、お手入れも簡単
- 長距離・長時間歩いても疲れないソール
- 規格をクリアする滑らないグリップ力
ポストマンは一度履いてしまえば、
よっぽどのことがない限り一生の付き合いになる革靴。
それほどデザイン・質がともに優れた、
まさにレッドウィングの雄。
普段スニーカーのことばかり書いているので、
たまには革靴もいいかな、って。
ポストマン、本当にいいですよ。