アパレル販売に限らずですが、販売業ではどうしても売り上げやノルマの問題が出てくるもの。
そんな問題に頭を抱えている時に、
自分の部下や後輩のちょっとした行動や発言が気になってしまう事もあると思います。
ワタシも日割りのノルマ達成が困難な日に、
「自分だけ頑張って、後輩からやる気が感じられない」なんて思う事もありました。
ですが、昔店長から言われた言葉たちを思い出して
モチベーションが上がるように話しかけたところ、効果てきめん!ノルマもしっかり達成できました。
今でもワタシはその店長を尊敬しています。
そしてモチベーションが上がらない時はその言葉を思い出します。
そんな言葉たちをみなさんにも伝えたい!
感動のストーリーではないですが、何かしらお役に立てばとても嬉しく思います。
言葉その①:「お前が楽しまなくちゃ!」
これは、当日売り上げがまだ0円で、焦って怖い顔をしていた時に言われた言葉。
ワタシの売り上げももちろん店舗の当日ノルマに含まれているため、売れないと困るのはどちらかと言えば責任を取る店長の方。
ですが、
「おいおい!なんだその顔!
アパレルなんだから、お前が楽しまなくちゃお客さんも楽しんで買い物できないだろ!」
と笑いながら言われたのですが、その瞬間はもちろん楽しめない。
すかさず店長は
「お前さ、買い物する時楽しくない?」
「せっかく買い物来てるのに、スタッフが楽しそうじゃなかったらテンション下がるだろ?」
「服屋は固くないの!カッコ良く楽しめって!」
すごく楽しそうに話すので、さすがに笑ってしまいました。
もうそこからはある意味気が抜けて、「店長がそう言ってるんだからいいや」って気持ちで接客。
でも確かにそのあとは不思議と売れるんですよね。
楽しんでいる気持ちが伝染するのか、お客さんのテンションも上がって自然と会話が盛り上がります。
スタッフの顔が強張っていたり、落ち込んでいたらぜひ楽しむよう声をかけてあげてほしい!
言葉その②:ケツは俺が持つ!
これも売り上げが悪い日の出来事。
というか、当日は店舗自体の売り上げが0。
売り上げが立たずに閉店となると、自腹で1円でもいいので売り上げを立てなければならないルールが当時はありました。
給与の低い下っぱにとっては絶望的な状況です。
そんな不安を悟ったのか、突然
「ケツは俺が持つ!自由に動け。」との指示。
お互いに「今日は自腹か」と思っていたはずですが、そんな中この発言は中々できません。
カッコよく言えば、部下の接客力を信じて、賭けてくれたという事。
店長や先輩から「責任は取ってやるから、やってみろ」って言われるのはすごく嬉しいものなんですよね。
その人のためにも頑張りたくなりますし、安心して本気が出せます。
もしスタッフがピンチだったり空回りしていたら、言ってあげてほしい言葉です。
言われた方はこの言葉を忘れないので、きっと効き目も長く続きます。
言葉その③:お客さんは何を買いに来てるの?
かなり購買意欲の高いお客さんを逃した時に言われた質問。
「多分…ジャケット…」
「違うな、それはお前が売りたいものだろ?」
ん?
最初はよく意味がわからず「あの人はホントはコートを買いに来たんだよ」
とか言われるかと思ったのですが、どうも違う様子。
ですが、次の言葉で意味がわかりました。
「お客さんは、ジャケットを買った後の、カッコ良くなった自分を買いに来てるんだろ。」
ちなみに後から知ったのですが、
これをマーケティング用語で【ベネフィット】と呼ぶそうです。
多分、店長はマーケティング用語なんて知らなかったはず。知ってたらごめんなさい・・。
経験上何が失敗の原因か、ワタシの接客を見て気付いたんだと思います。
説教や注意ではなく、本質を気付かせてくれた大事な言葉でした。
その後も、「お前そういう、相手に想像させる話得意じゃん!」と持ち上げてくれる。
なんていい人…。
根性論の説教ではない、というところもそうですが、
持論だとしても
自分の成功論や考えを本気で、本音で教えてもらうと、
やっぱり誰でも嬉しいものです。
そこに嫉妬や嫌味などが含まれていると話は別ですけどね。
思うように上手くいかないスタッフがいたら、自分の成功論を教えてあげてください。
もちろん、嫌味を含まずに。
うまく教える自信がない人は、ぜひベネフィットの話を。
少なくともマイナスになる事はないと思います。
まとめ
ご紹介した3つが、言われて嬉しかった「モチベーションが上がる言葉」。
小さな範囲ですが、ワタシや周りの人間には効果がありましたので、
同じように悩みを抱えている方はぜひ叱る前に伝えてみてください。
よっぽどひん曲がっている人間でなければ効果はあると思います。それも、短期ではなく長期的に。
また、記事を書いている最中思ったのですが、ピックアップして書くとかなり美談ですね!
これだけを見ると「店長さんはスゴい人格者」と思うかもしれませんが、
もちろん良くない面もいっぱいありました。
が、きっと誰だって今回紹介したような言葉が言える人について行きたいと感じるはず。
モチベーションを上げてくれる人って少ないですもんね。
打算的ですが自分の評価・信頼を上げるという副産物も生まれます。
余談:かっこいい店長
これはモチベーションを上げる話ではないのですが、
「この人、やっぱりカッコいいな!」と思ったエピソード。
ワタシが退職する月に、すでにその店長とは違う店舗で勤務していたのですが、たまたま会う機会がありました。
当時、ワタシは常に全国トップの売り上げを出せるまで成長 (すみません、自慢です。) していたのですが、別れ際に店長が言ってくれた言葉。
「辞めるからって、お前が手を抜いていないことを俺は知ってる。
けどな、他の人が同じように思うかはわからない。
だから、最後にドえらいのをかましてやれ!」
これもピックアップすると超美談な感じですが、
このエピソードは、結果的にも超美談になりました。
店長のために頑張れました。