せっかくカメラを持ってるから、
喫茶店やカフェで、いい感じにコーヒーの写真を撮りたい。
そんな時がたまにありまして、
今まではiPhoneで撮っていたんですが、これからはちょっと一眼で撮ろうかなと。
で、先日さっそく錦糸町にある「すみだ珈琲」さんへおじゃましたのですが、
「ちゃんと一眼で撮るぞ!」と決めた初日から問題が発生。
コーヒーカップが近すぎてピントが合わない…
…その日、結局iPhoneで撮りました。
同じような経験があるかはわかりませんが、
持っているレンズで、もう少しだけ寄って撮影したいときの助っ人
“レンズ交換なしで” 簡単にマクロ撮影ができる「クローズアップレンズ」
これがホントに便利だったので、ちょっとご紹介したいと思います。
バッグに入れておいて、いざという時にフィルター感覚でサッと着けるだけ。
コーヒーに限らず、スナップやブツ撮りなどなど何でも使えます。
マクロレンズを持っていない人や、
何本もレンズを持ち歩きたくない人にはかなりオススメ。
これは困った…
いきなり余談ですが、
イメージしやすいようにどんな状況だったのかをご説明したいと思います。
興味ない人は飛ばしちゃってください!
コーヒーが最短撮影距離より近い
すみだ珈琲さんでは、カウンター席へ通されたのですが、
思いのほか、カメラとコーヒーの距離が近い。
カメラ (正確にはレンズ) って、撮りたいものに近寄れる距離が決まっているんですね。
これを「最短撮影距離」というのですが、
この距離より近づいちゃうと、ピントが合わなくなってしまうんです。
ワタシ、普段持ち歩くレンズの最短撮影距離が58cm。
二人がけくらいのテーブルで撮るぶんには全然問題ないのですが、
カウンター席は完全に盲点。
コーヒーカップとレンズの距離が30〜40cmくらいしかないので、
最短58cmでは全然ピントが合わない…。
椅子を引いて後ろに下がるわけにもいかないので、そっとカメラをしまいました。
そこで、
今使っているレンズで、必要なときだけ寄って撮影できないものかと。
あるんですね、そういうアイテム。
わざわざレンズを交換しなくても、サッと着けるだけでいいのがクローズアップレンズ。
ホント便利な世の中です。
クローズアップレンズとは
クローズアップレンズとは、
「カメラ用の虫眼鏡」みたいなもので、撮りたいもの (被写体) を大きく写せると同時に、最短撮影距離 (ピントが合う一番短い距離) を短くできる
といった、簡易マクロ撮影アイテムです。
上の写真、黒いリング状のものがクローズアップレンズ。
フィルターのように、レンズの先端に取り付けて使います。
「最短撮影距離」とか小難しそうなこと言ってますが、
いつもより近づいて撮れるよ
ってだけの話なので、難しく考えなくても大丈夫。
こんな時に使える
■ マクロレンズを持ってないけど寄って撮りたい!
■ 外ではレンズを何本も持ち歩かない!(レンズ交換しない)
■ マクロレンズを買って使うほど利用頻度はない!
そのままワタシです。
スナップ撮影が多いので、基本的にレンズはカメラに着いているものだけしか持っていかないタイプ。
それも標準レンズがほとんどで、
マクロレンズをつけて外に出ることってあんまりないんですよね。
でも、今回のように「今だけ、今だけマクロ使いたい!」ってわがままなときもあるわけで。
バッグに入れておいてもかさ張らないし、何ならポケットに入れておいてもいい。
ホント便利、ありがたい。
クローズアップレンズの選び方
クローズアップレンズを調べると何やら数字がズラッと並んでいて、
最初は「選ぶの難しいのかな」って思ったんですが、
実はとても簡単です。
まず、クローズアップレンズを選ぶポイントはこの2つ。
どれくらい近くに寄るかを決める【クローズアップレンズの最短撮影距離】
一番大事なのがココ。
写真を撮るとき、カメラ (レンズ) がどれくらい近くまで寄るか。
これさえ決まればもう八割がた絞られます。
クローズアップレンズは、
どれくらい近くに寄れるか (最短撮影距離)、
言い方を変えれば、どれくらい大きく写せるか
によって番号 (No.) が1〜10まで分けられています。
ワタシの場合は
・レンズの最短撮影距離「58cm」以下
・コーヒーを撮りたいので大体30cm前後
と明確に決まっていたので、No.3を選択。
おおむね理想の距離や撮りたいシチュエーションがわかっていると、選びやすいと思います。
「よくわからないけど普段使いしたい」という場合はNo.3がオススメ。
花を超どアップで撮りたい!とかなら別ですが、
普段使う分にはNo.3が適度で一番使い勝手がいいと思います。
もうちょっと下の方で参考画像を乗せますね。
上の表の右側にあるカメラと花のイラストを見ていただくとわかるのですが、
No.3の場合、約20〜33cmって書いてありますよね、
これがNo.3のピントが合う距離です。
この数字以上でも以下でもピントが合わなくなるので注意してください!
例としてNo.3の場合、仮に距離が10cmとか40cmのように
【20〜33cm】から外れてしまうと、ピントが合わなくなるよって意味になっています。
ちなみに、クローズアップレンズの「ピントが合う距離」というのは
レンズの先端からピントを合わせたい場所までの距離となっていて、
先ほど紹介した「レンズの最短撮影距離」とは違うのでここも注意してください!
紛らわしいですよね。
レンズのフィルター径だけ注意!
次に決めるポイントは
フェルター径。つまり、サイズです。
決めるというか、持っているレンズのフィルター径を調べて
同じサイズ (フィルター径) のものを選べばいいだけなんですけど、
たまにど忘れするアレは何なんでしょうね。
NDフィルターやPLフィルターを買うときもサイズを忘れて
全然違うサイズを買おうとしてしまうことが時々あるので、
念のため、購入する前にもう一回だけ調べておくと安心だと思います。
調べ方がわからない場合は、レンズの説明書やメーカーのホームページに載っているのでチェックしてみてください。
オススメはACタイプ
「ACタイプ」と「MCタイプ」の違い
クローズアップレンズには
「ACタイプ」と「MCタイプ」があるのですが、個人的にはACタイプがオススメ。
違いをざっくりまとめると
■ MCタイプ ■
マルチコートレンズの略。
1枚のガラスレンズで出来ていて、軽くて薄いので気軽に使える。
しかし、
その代わりに色収差や歪みなどが目立ちやすく画質はイマイチ。
■ ACタイプ ■
アクロマートレンズの略。
複数 (2枚) のガラスレンズが組み合わさっているので、
収差や歪みなどの画質低下がなく、クリアでシャープ。
その代わり、MCタイプより重い。
と、言われています。
ACの方が高級モデルになりますね。
本家のマクロレンズには画質で敵わないとはいえ、
せっかく使うなら画質が良い方がいいじゃないですか。
マクロレンズは安いものでも3万円前後、
ACのクローズアップレンズはKenkoの最も高級なものでも大体3000円前後。
サイズ (フィルター径) によっても価格は多少変わりますが、それでも…ね。
やっぱり、せっかく楽しむなら個人的にACタイプがオススメです。
実際のイメージと使い方はこんな感じ
言葉だけだとイメージしづらいと思うので、簡単に写真でご紹介したいと思います。
改めて、
今回使ったクローズアップレンズはケンコー (Kenko) のNo.3、「PRO 1D AC」というタイプです。
フィルター感覚でレンズ先端に取り付けます。
左が装着前、右が装着後。
見た目はこんな感じです。
そして、クローズアップレンズを使うと
どれくらい寄れるか、大きく写るかを見てみたいと思います。
参考におもちゃのトミカを使ったのですが、
トミカの大きさって、なんとなく想像できます…よね…
こちらがクローズアップレンズ未装着
(レンズ本来の最短撮影距離58cmで撮影)
次はクローズアップレンズ装着
(クローズアップレンズのピントが合う距離33cmで撮影)
結構大きく写せます。
もちろんトリミングはしていませんので、そのまま。
33cmだと、実際にはこれくらい近寄って撮影することができます。
わかりづらかったらすみません…。
家にメジャーがあれば、33cmってどれくらいか測ってみてください!
テーブル撮影ならちょうど良い距離になっているはず。
写真ではメジャーを置いていますが、
撮影するときはファインダーを覗きながら前後に動いて
大体ピントが合う距離を見つけたらオートフォーカスで撮影。
厳密に20〜33cm測って撮る必要はなく、感覚で大丈夫なので安心してください。
あとはカメラが上手いことやってくれます。
まとめ
使っているレンズの幅を広げる「クローズアップレンズ」のご紹介でした。
ミラーレスでも一眼でも、何本もレンズを持ち歩きたくないときや
「今だけ使いたい!」ってとき、フィルター感覚で着けられるのでホント便利でオススメです。
荷物としてかさ張らない上に、値段もマクロレンズを買うより全然お手頃なので
よかったらぜひ試してみてください!
ただフィルター径だけ間違えないように!