Macの内蔵SSDって、高いよね。
ストレージをどうするか。これは全Macユーザー共通の認識(悩み)だと思います。
さらに円安の影響もあって、価格は年々上昇傾向。
例えばMacBook Airの場合、2023年では【512GB→1TB】が28,000円でしたけど、2025年は30,000円に。


たかーい。
「あなたにぴったりの容量は?」じゃないのよ。
このストレージ不足を解決するために、多くの人は
『内蔵ストレージはそこそこに、外付けSSDで容量を補う』という運用をしているのではないでしょうか。

この「外付けSSD」、Amazonなどで売っている既製品のほかに、実は自分で作ることができるんです。
さて!
今回はこの必需品ともいえる「外付けSSD」について、M.2 SSDとThunderboltを使って
「ケタ違いの爆速SSD」を作っちゃおう。
というお話。
え?詳しくないからわからないって?
詳しくないからMacを壊しそうで怖いって?
大丈夫、まったく怖くない。
今回は超入門編。
詳しくない人でも迷子にならないよう、
- SSDの作り方の全手順
- 初期化(フォーマット)方法
- 実際の速度(実測値)
すべて画像付きで紹介するので安心してください。
爆速の外付けSSD運用ができれば、動画素材やRAW写真などの重いデータも今まで以上にサクサク移動・管理できる上に、Macの内蔵ストレージを使わずに外付けSSDの中だけで動画編集もできちゃう。
そして、今後Macの買い替えは小さい構成で節約。
MacBook大好きマンは全員きっとご利益を享受できるはずなので、ぜひ参考にしてください。
- 内蔵ストレージを盛っていない
- 外付けSSDの購入を検討中
- 現在、既製品のSSDを使っている
この記事では初心者の方でもできるだけ混乱しないように、順を追いながら噛み砕いて説明しています。
説明が不要の方は【準備するもの】まで飛ばしてしまって大丈夫です!
Thunderbolt対応の外付けSSDを自作するメリット

なぜ既製品ではなく、外付けSSDを自作するのか。
結論から言ってしまうと既製品のSSDより速度が速く、さらに同じ容量でも価格が安いというメリットがあるからです。
簡単に説明しますね!
メリット①速度が速い:Macのスペックをフル活用できる
せっかく高性能なMacでも、外付けSSDの読み書き速度が遅かったらMacのスペックを活かしきれず、宝の持ち腐れになってしまうんですね。
Amazonの配達員さんで例えると、配達員さんの仕分け(=スペック)はめちゃくちゃ速いのに、配達する車&道路の制限速度が遅いと、結果的にあまり配達できない(=性能が発揮できない)のと同じ構造。
じゃあ、
車を速くして、道路もビュンビュン飛ばしちゃおうよ!
ということ。
一般の車よりカスタムしたレース車が速いのと同じで、既製品よりも自作のほうが速い=Mac本来の性能が発揮できるんですね。
この「道路」と「車」を最大限活かすために、ThunderboltケーブルとM.2規格のSSDが必要になります。
レース用のカスタム車(M.2 SSD)を
超高速道路(Thunderbolt)で走らせる
というイメージです。

メリット②既製品より価格が安い
自作するメリットの2つ目は、とにかくコスパが良い(価格が安い)ということ。
SSDはそれなりに高価なイメージがあると思いますが、それは「既製品の外付けSSD」の話。
実はここ近年、米露関係の影響でSSD自体の価格が下がっているため、「SSD単体」であればめちゃくちゃ安く手に入るんです。
どれくらい安くなっているのかというと、今回紹介するSSD単体のスペックと価格は
最大7,000MB/秒の読み出し
最大5,100MB/秒の書き込み
このスペックで2TBが2万円台、1TBで1万円台。
対して既製品は、
例えばみんなが大好きなSanDiskの最上位ポータブルSSD↓場合、

最大3,800MB/秒の読み出し
最大3,700MB/秒の書き込み
これもThunderbolt対応でめっちゃくちゃいい製品ですが、価格は2TBで4万5000円超え。
そう、
完全に自作のほうが速くてお得。
こういう情報、もっと早く教えてほしかったよね。
ワタシもそう思う。
自作SSDのデメリットは?
では、自作SSDにデメリットはないのか。
デメリットと呼べるかどうかはわかりませんが、
「弱点」という意味では2つあります。
弱点①知識(情報)がないと存在すら知らない
おそらく、ほとんどの人がGoogleやYouTubeで「Mac 外付けSSD おすすめ」などで調べると思いますが、そういった調べ方では基本的にヒットしません。
「どのパーツを組み合わせればいいのか」というところから話が始まるので、「オススメのSSD」では検索のアルゴリズムに引っかからないんですね。
弱点②防水防塵や物理耐久などの付加価値がない
上で紹介したSanDiskのポータブルSSDなどの既製品SSDは、「IP〇〇の防水防塵」や「落下保護」など
“何かしらの付加価値” があることがほとんどです。
対して自作SSDは付加価値ではなく速度・性能を突き詰める運用スタイルなので、既製品と同じような物理的な強度は有していないんですね。

とはいえ、じゃあ扱いが繊細なのかというとそんなことはなく、ワタシの場合はSanDiskと同じように扱っていますが、一度も不具合が起きたことはありません。
(2〜3度フローリングに落としていますが問題なし)
感覚的には「物を雑に扱っちゃいがち」の人は少しだけ注意が必要かな、という程度。
ただし、運用面で明らかに防水や耐久性が必要な人は、素直に既製品を選んだ方が吉。
準備するもの
では、さっそく「爆速の外付けSSD」を作る準備をしていきましょう!
「作る」といってもSSD本体を専用ケースに入れるだけですので実は超簡単。
組み立て方は写真を使って細かく紹介していきます。

また、この記事で紹介しているものはエアレビューではなく、筆者がガチで使っているものなのでその点もご安心ください。
準備①Thunderboltケーブル

準備するものの1つ目は、
Macと外付けSSDをつなぐ「Thunderboltケーブル」
「Thunderbolt」とは簡単に言ってしまえばUSB-Cの上位互換。「全部入りの高速USB-C」というイメージで概ね大丈夫です。

正確に理解しようとするとめっっっちゃくちゃ面倒くさいので、深入りしないほうがいいです。まじで。
- USB3.2 Gen1:最大転送速度5Gbps
- USB3.2 Gen2:最大転送速度10Gbps
- USB3.2 Gen2×2:最大転送速度20Gbps
- Thunderbolt4:最大転送速度40Gbps
ちなみに、
今回紹介するアイテムはThunderbolt4対応。
下で紹介するSSDケースに30cmのケーブルが付属しているので別途購入する必要はありませんが、必要に応じてお好きな長さのものをご準備ください。
私が普段使っているものはこれ↓


準備②M.2 SSD
2つ目はSSD本体。
Macのスペックを最大限引き出したいので「M.2」という規格のSSDを使います。
※読み方は「エム ドット ツー」
うーん、謎の横文字ですね。
M.2 SSDとは、簡単に言ってしまえばめちゃくちゃ速いSSDのこと。
これも「従来のSSDよりもすごーく速い規格」くらいの認識で問題ありません。



新しい規格の名前というだけなので、これも深く考えなくて大丈夫です。まじで。
- HDD:約100MB/秒
- 2.5インチSSD(従来品):約500MB/秒
- M.2 SSD Gen3:約3000MB/秒
- M.2 SSD Gen4:約7000MB/秒
今回紹介するM.2 SSDは「第4世代(Gen4)」なので、
本当に引くくらい爆速。体験したら最後、もう従来のSSDには戻れないと思います。
また、さまざまなメーカーからM.2 SSDが出ていますが、有名どころの製品を実機・実環境で検証した結果、
“速度と安定性” でSAMSUNGの980 PROが最適解。
予算や性能をどこまで妥協できるか、扱うデータの種類や運用方法などでオススメのSSDは異なると思いますが、
迷ったらSAMSUNGの980 PROでまず間違いありません。
初心者から玄人まで、
コスパ・スペックともに後悔することないはずです。


- 最大7,000MB/秒の読み出し
- 最大5,100MB/秒の書き込み


準備③Thunderbolt・M.2対応のSSDケース
最後はThunderbolt4とM.2に対応した「SSDケース」
SSDケースはAmazonで探すと聞き慣れないメーカーの物が多く販売されていますが、扱うのは大切なデータ。
M.2 SSDの実測値はケースのスペックに依存するので、ここは安心・安定の大手でいかせていただきます。


- 最大転送速度:40Gbps
- 最大3100MB/秒の読み出し
- 最大3100MB/秒の書き込み


【写真付き】M.2 SSDの組み立て方
ではさっそく「SAMSUNGの980 PRO」と「ORICO SSDケース」を組み立てていきましょう!
記事内では文章で細かく書いていますが、
実際の作業時間は5分ほど。
全体の流れを見てもらえれば、拍子抜けするほど簡単なのがわかると思います。
いざ!






それぞれ開封するとこのようになっていて、
ORICOのケースには下記が付属しています。
- アルミ製SSDケース本体
- シリコンサーマルパッド
- ヒートシンク
- 2-in-1 USBケーブル(USB-C・USB-A)
※Thunderboltと同じスペック - 固定用ネジ×2
- ドライバー
- 説明書


まずは付属のドライバーを使ってSSDケースの背面を開けます。
開けると赤い基盤が見えますが、ガッチリ固定されているので「部品がポロッと落ちる」などの心配はありません。


次に、M.2 SSDにサーマルパッドを貼り付けます。
サーマルパッドとは「SSDの熱を逃がすシリコンシート」のことで、例えるなら “冷えピタシート” みたいなもの。でも触っても冷たいわけではないです。


こんな感じ。
注意点として、写真向かって右側にある端子が隠れないようにしましょう。
隠れてしまうとSSDをケースに差し込む際、邪魔になってしまいます。
サーマルパッドを貼ったSSDに、ヒートシンクを被せていきます。


上からはめるのではなく、横からスライドして被せる感じ。ヒートシンクも端子が隠れないよう注意!
ヒートシンクとは、熱伝導率の高い金属(アルミ/銅など)でSSDの熱を吸収し、空気中に放散する冷却部品。


これでもう全工程の半分がおしまいです!
「隠れないように」と言っていたM.2 SSDの端子をケースに差し込みます。


写真のように、一方向にしか差し込めないため「間違えて反対に…」なんてことは起こらないので安心です。
端子が差し込めたら、反対側をネジで固定します。


端子を差し込むと少し浮いている状態になっていますが、これで正常。
付属のドライバーを使って浮いている方をしっかり固定していきます。


最後にSSDケースの蓋を閉めて・・




完成!
お疲れ様でした!
手順は本当にこれだけ。
たぶんガンプラよりも簡単なので、
ササッと進めれば5分もかからないかもしれません。
SSDをフォーマット (初期化) する方法
まっさらなSSDをMacOSに最適化させるため、フォーマット(初期化)をしていきます。
これも簡単なので安心してください!
M.2 SSDとMacをケーブルでつなぐと、下のようなポップアップが出てきます。
この画面が出たら【初期化…】を選択。


もし出てこなければ【ディスクユーティリティ】のアプリを開くと、STEP2の画面に進みます!
【初期化…】を選択するとディスクユーティリティが開くので、
左のサイドバーに【M.2 SSD(SAMSUNG 980 PRO)】が認識されていることを確認し、画面右上の【消去】を選択。


【消去】を選択すると、初期化後に適用される
【名前】【フォーマット】【方式】を選択するポップアップが表示されます。
今回はMacのOSに最適化したいので、以下のように選択してください。


- 名前:任意の名前でOK
- フォーマット:APFS
- 方式:GUIDパーティションマップ
すべて選択できたら、ポップアップ右下の【消去】をクリック。


この画面に戻ったら、初期化(フォーマット)は完了!
初期化(フォーマット)が完了すれば、もう普通の外付けSSDとして使うことができます。
これで、すべての作業が完了です!
M.2 SSDの実測値┃ベンチマークスコア
メーカーの公称値でさんざん「速い速い」と言っておきながら、実際の速度(実測値)が遅ければなんの意味もないですよね。
なので最後に今回作ったM.2 SSDの実測値を確認しておきましょう。
参考までに、ワタシがこれまで使っていたSanDiskのSSDの実測値はこちら。




- 読み込み:389.7MB/秒
- 書き込み:360.3MB/秒
約5年も使っているものなので比較するにはナンセンスではありますが、こういった使い方をしている人も多いのでは、、ということで一応。
さて、大ボスの登場です。
自作M.2 SSDの実測値はこちら。


- 読み込み:2800.1MB/秒
- 書き込み:2754.4MB/秒
文字通り、ケタ違い。
公称値ではなく “実測値” でこの速度なので、本当に既製品の外付けSSDには戻れなくなってしまうはず。
しかも、
M.2 SSD側のポテンシャルはまだ出し切っていないので、SSDケースのスペックが上がればさらに速くなるわけです。


煽るわけではなく、ぜひ今使っている外付けSSDの速度を測ってみてください。
ほとんどの場合、この速度は出ないはず。
他意なく、自作のSSDは本当にオススメなんです。




Macの爆速 外付けSSDの作り方│まとめ


Macの爆速『外付けSSDの作り方』のご紹介でした。
実はこの記事の内容、友人と話しているときに「Macの外付けSSDが自作できるって発想すらなかったよ」という一言から
「あれ、もしかしてもったいない人が多いのでは…?」
と思い、紹介してみました。
どんな作業でも “速い” は正義ですから、参考になれば幸いです。
詳しい人はさらに尖った構成にしていると思いますが、今回は「誰でもまず間違いない」という視点でアイテムを選んでいるので、慣れてきたらぜひ、自身の環境での最適解を探してみてください!





