先日、やっと「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」に行ってきました。
前売りでだいぶ前からチケットは確保していたのですが、なかなか時間を見つけられず東京会場 (森アーツセンターギャラリー) の閉幕間近で駆け込み来場。
閉幕間近ということもあって激混みでしたが、やっぱり行ってよかった。
ドラえもんが好きな人も、現代アートが好きな人も、大人になってドラえもんと疎遠になっている人であっても、誰でも楽しめる展示となっています。
展示のタイトルに入っているように、今回のドラえもん展は東京からスタートし、
全国を巡回する予定となっているので、近くで開催となったらぜひ見に行ってほしい。
…近くじゃなくても見に行ってほしい。
次回は富山県にある高岡市美術館で3月16日から開催の予定となっています。
今回は、注意点というと大げさですが、
こうやって見ると、もっと展示が楽しめるよ
というポイントを勝手ながらお伝えしたいと思います。
写真が少なめで恐縮ですが、よかったら参考にしてください。
現代アートがわからなくても楽しめる
テーマは「あなたのドラえもんを作ってください」
今回の「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」は28組30人の作家さんが作品を展示しています。
“作家さん” と一口に言っても、
現代アーティストや写真家、彫刻家や書道家などなど、作家さんそれぞれの方法でドラえもんにアプローチしているのですが、
共通したテーマは「あなたのドラえもんを作ってください」というもの。
同じテーマの上で、作家さん各々が「ドラえもん」を解釈して表現しています。
これがすごく面白くて、今回の展示を楽しむポイントとして、
“解釈と表現の違いを楽しむこと” が一番楽しめるんじゃないかと思うんです。
なので、
「この人からはこう見えてるんだ」「ドラえもんをこう解釈するんだ」というような、他人の頭の中を覗いている感覚で作品をみると面白いんじゃないかなと思うんです。
みんなが知っている “ドラえもん” のはずが、作家さんのフィルターを通すことで
自分の持っているイメージとかけ離れた “新しいドラえもん” として見ることができます。
現代アートがさっぱりわからなくても、
初めて見る “新しいドラえもん” と、自分の “ドラえもん像” との違いを純粋に楽しむことができるんじゃないかなと思います。
![奈良美智さんの作品「真夜中のネコ型ロボット」](http://isikifactory.com/wp-content/uploads/2018/01/0a2705ebe687c01e89c42c03a0cbc69a.jpg)
奈良美智さんの作品「真夜中のネコ型ロボット」
作家さんを知っているとより楽しめる
現代アートがわからなくても、
「ドラえもん」を知っていれば誰でも楽しめる展示なのは間違いないのですが、
作家さんを知っていれば、より一層楽しめることも間違いない。
これはもう単純に、
「知っている作家さんの “新作” として楽しむ」
ということと、
「この作家さんだったら、どう表現するのかを楽しむ」
という2点が、一層面白みを増すポイントとなるはずです。
うまい例えが出てこないのですが、
イメージでいうと、好きな歌手を想像するとわかりやすいかもしれません。
みんなが知っている歌を、歌手それぞれが自分のスタイルで歌う
みたいな感覚に近いのかなと思います。
好きな歌手が他人の歌を歌っているのがちょっとワクワクするあの感じです。
みんなが知っている「ドラえもんの歌」を、オペラだったりジャズだったりラップだったり、
その人の分野で、その人の手法でアレンジして歌っている、みたいな。
作家さんを知らなければ知らないで問題なく楽しめますが、
知っているからこそ踏み込んで楽しめる、といったところはあると思います。
また、今回の展示で好きな作家さんを見つけるもの絶対楽しいですよ!
現代アートとして楽しみたい!
「いやいや、せっかく “ドラえもん” という取っ付きやすい内容だから、現代アートとして楽しみたい」
![村上隆さんの作品「あんなこといいな 出来たらいいな」](http://isikifactory.com/wp-content/uploads/2018/01/39dc6281cba3c01dbdb43943b39d2a61.jpg)
村上隆さんの作品「あんなこといいな 出来たらいいな」
という方へ、ちょっとお節介かもしれませんが、
現代アートがわかりやすく書かれている本をご紹介します。
他にも良書はたくさんあると思いますが、下の本を簡単にでも読んでおけば今回の「ドラえもん展」も1.5倍は楽しめると思います。
今回のドラえもん展でも大きくフィーチャーされている
村上隆さんの書籍「芸術起業論」と「芸術闘争論」がとにかくオススメです。
「そもそも現代アートって何?」「日本人が現代アートをわからない理由」「日本のアートが遅れているわけ」など、
私たちが漠然と感じている疑問をわかりやすく説明してくれています。
「芸術起業論」の続編が「芸術闘争論」なので、先に読むなら「芸術起業論」の方がわかりやすいと思いますよ!
子どもたちはちょっとポカーンってなっちゃうかも
子どもは楽しめない、というとちょっと語弊がありますが、
恐らく子どもたちがイメージしている “ドラえもん” とはかけ離れすぎている作品が多いと思います。
会場にはそれこそ老若男女、家族で鑑賞している人もかなり多いのですが、
この記事の最初に載せた奈良さんの作品など、
子供から見たらちょっと怖かったり、意味が全くわからない作品も多いんじゃないかと思うんですね。
![会田誠さんの作品「キセイノセイキ〜空気〜」](http://isikifactory.com/wp-content/uploads/2018/01/54ee4891335a0a62d6321280bb0327ab.jpg)
会田誠さんの作品「キセイノセイキ〜空気〜」
例えば、上の写真は会田誠さんの作品。
ワタシの後ろで小さい子が「これ何??」ってお父さんに聞いていたのですが、
お父さんも「なんだろうね、次の見ようか」と絶妙な返しをしていて「流石だな」と思いました。
子どもたちが期待している “ドラえもん像” とはどうしても違う作品がたくさんあるので、
後半になると、飽きちゃう場合もあると思います。
なので、お子様連れで行く際はちょっとだけ注意が必要…かも。
といっても、子どもだからこそジーッと見入っちゃうような作品も多いので、執拗に心配しなくても大丈夫。
![近藤智美さんの作品「ときどきりくつにあわないことをするのが人間なのよ」](http://isikifactory.com/wp-content/uploads/2018/01/6cf155518ffff2d88ddebbf64849b4f1.jpg)
近藤智美さんの作品「ときどきりくつにあわないことをするのが人間なのよ」
まとめ
■ 公式サイト:THE ドラえもん展 TOKYO 2017
東京での開催は終わってしまいましたが、
まだまだ全国で巡回するので、機会があればぜひ足を運んでみてください!
誰でも絶対に楽しめると思います。
ただ、作家さんが好きな人、アートが好きな人、ドラえもんが好きな人、いろんな方面から人が集まるので、どの会場も結構混み合うと思います。
もし狙えるのであれば、平日の午前中がオススメ。
写真撮影もOKなので、ゆっくり見て回れると思います。