突然ですが、皆さんは「シエラレオネ」って知っていますか?
「豆の種類?」
「コーヒーブランド?」
シエラレオネって単語自体、全く聞いたことがない人もいると思います。
ちなみに、ワタシはちょっと前まで全く知りませんでした。
知らない人からすると謎の単語ですが、
シエラレオネとは、西アフリカにある “国” なんです。
そしてここからやっと本題。
たまたまシエラレオネで仕事をしている知人がいまして、
帰国の際に現地のコーヒーをお土産で買ってきてくれたんですね。
「色んな意味でかなり珍しい」と聞いたので、
ウキウキしながらさっそくコーヒーを淹れてみました。
もし、シエラレオネのコーヒーを飲める機会があれば、一度飲んでみてほしい。
シエラレオネとは
改めて、シエラレオネという国について、かなりざっくりとご紹介します。
正式名は「シエラレオネ共和国」、西アフリカのさらに西側に位置する国で、
面積は北海道よりちょっと小さいくらい。
首都は「フリータウン」、次いで第二の都市は「ボータウン」
ボータウンはコーヒー産業が経済の一端を担っていて、
北緯7度なのでばっちりコーヒーベルトの範囲に入っています。
あまりデリケートな話をするつもりはないのですが、
世界で最も寿命が短い国の一つと言われていて、WHOの報告では2014年の平均寿命が46歳。
また、内戦やエボラ熱も相まって最悪の貧困状態とも言われていたそうです。
現在は最悪の状況から抜け、本格的に復興に向かっていると聞きました。
で、繰り返すようですが
こういったデリケートな話を深掘りしたい訳ではなく、
あくまで「こんな国なんだ」って前提として覚えておいてほしいんです。
シエラレオネのコーヒー豆はほとんどがロブスタ種
ロブスタ種とアラビカ種
コーヒー豆の種類は大きく分けて
ロブスタ種とアラビカ種 (カネフォラ種) があり、それぞれわかりやすい特徴があります。
■ ロブスタ種 ■
病害虫に対する耐性が強く、一本の木から収穫量も多い。
さらに高温多湿でもOKな上に低地でも育つ強さを持っています。
そのためアラビカ種に比べかなり安価。
インスタントコーヒーや缶コーヒーに使われることが多いとされています。
味の特徴として酸味がほとんどなく、独特の苦味や泥臭さが強い。
ということでストレートではほとんど飲まず、基本的にブレンドで使います。
■ アラビカ種 ■
ロブスタ種の特徴とはほとんど真逆で、病害虫に弱く収穫量も少ない。
栽培の環境も条件が限られてきます。
もちろん種類にもよりますが、
味の特徴として良質な酸味を持っていて、香りも良い。
ストレートで飲むコーヒーはほとんどアラビカ種といっても過言ではないくらいです。
スペシャルティコーヒーや高級豆「ゲイシャ」もこのアラビカ種。
というのが一般的に言われている二種類の特徴です。
そして、今回紹介するシエラレオネのコーヒー豆はそのほとんどがロブスタ種らしい。
ということは、現地ではブレンド無しでロブスタ種100%のコーヒーが主流なのかもしれません。
いや、わからないですけど。
ロブスタ種100%を飲むのは初めてです。
シエラレオネのコーヒー、淹れてみました
今回頂いたのがこちら。
栽培も焙煎も全てシエラレオネで行なっているコーヒーなんだそうです。
また、ボータウンではなくフリータウンのコーヒーと書いてありました。
印刷がちょっと荒くて読みづらいですが、容量は250g。
「I LOVE COFFEE」のロゴがシンプルで可愛いです。
コーヒーは豆の状態ではなく、すでに挽いてありました。
しかも結構細挽きで。
このコーヒー、香りが独特でチョコレートと粘土を混ぜたような感じ。
あんまりコーヒーっぽくないんです。
「粘土」って言うと聞こえが悪いですが、臭いってわけじゃないんですよ。
行ったことないですけど、アフリカっぽい匂いなのかも。
ではさっそく。
今回はHARIO (ハリオ) V60セラミックドリッパーを使ってペーパードリップ。
いつものレシピで36g、約3杯分淹れてみたいと思います。
一湯目を注いだ瞬間、違和感が。
なんだ…このニオイ…
おそらく、これがロブスタ種特有の「泥臭い」ということなんじゃないかなと思います。
先ほどの粘土臭をより強烈にした感じで、今まで嗅いだことのない香り。
ここで、
いつも飲んでいるコーヒーと比較するものじゃないのかもって考えが頭をよぎります。
そもそも普段の豆とは種類が違う上に、今回はストレートで飲むには適さない品種。
且つ、挽きたてではなく粉の状態で、焙煎した日もわからない。
というか、抽出もペーパードリップで大丈夫なのか不安なところです。
よくよく考えてみれば鮮度や旨味に期待して比較するのはナンセンスなんだろうなと。
全く別物として楽しんだほうが良さそうという結論にいたりました。
ということで、
シエラレオネのコーヒーの特徴なのか、ロブスタ種の特徴なのか、単純に鮮度の問題なのか、切り分けができない状態ですが続行したいと思います。
細挽きなので苦味が強く出過ぎないよう、かなりささっとお湯を注いでいるのですが、
全然抽出されないんですよ。
油分が強いのかわかりませんが、コーヒー粉がお湯をはじいているようにすら見えるんです。
最後に残ったのがこちら。
感想
第一印象、というかほとんどこれに尽きるのですが、
泥臭い。
香りもそうですが、飲んでいる最中や後味も泥臭いのが一番印象に残ります。
ただ、飲めないこともないというか、
泥臭さの後ろにしっかりコーヒーが隠れているので、ブレンドに使ったら確かに不思議なアクセントになるんだろうなと思います。下手したらクセになるかもしれないくらい。
ブレンドの比率がすっごい難しそうですけど。
全然味は違いますが、
チャイとか好きな人であれば、アラビカ種だけのストレートよりロブスタ種がブレンドされているコーヒーの方がハマるかもしれません。
しかしながらアラビカ種のコーヒーで慣れている日本人には、
ロブスタ種100%のストレートはかなりインパクトが強いんじゃないかな…。
マキネッタで淹れたらまた違っていたかもしれないですね。
まとめ
今回、シエラレオネのコーヒー紹介なのか、
ロブスタ種のコーヒー紹介なのかわからなくなってしまいましたが、
少なくともシエラレオネの人たちはこういったコーヒーを飲んでいるはず。
良いとか悪いとかの話ではなく、もし飲める機会があればぜひ一度飲んでみてほしい。
きっと忘れられない味になると思います。
コーヒーに限らず、
シエラレオネの書籍や題材になった映画もあるので、興味があったらぜひ見てみてください。