前回、写真の比率について
スクエアが美しいという内容の記事を書きましたが、今回は少しベクトルを変えたお話。
写真撮影時、一番最初に意識すると面白くなる事をお伝えしたいと思います。
これはプロを目指してるとか、そういった人向けの話ではなくて「写真自体が好き」な人向けにちょっとした提案。上手く撮る方法ではございません!とても簡単な内容なのでサラっと流し読みでも大丈夫。
「じゃあ最初は意識してみるか」という程度でも絶大な効力があります。
“写真”を楽しみたい人へ向けて少しでも参考になればと。
簡単に前置き
写真に興味を持ち始めた最初の段階、WEBや雑誌などで写真とカメラについて色々と調べますよね。
もしくは知人など知識のある人に聞いてみたり。ワタシも経験があります。
そして、何を調べていたのか、どんな答えを探していたのか何がなんだかわからずに迷子になってしまう。なんとなく残った印象は「写真って難しい…」
そうなんです。奥が深すぎて、情報量が多すぎて、
どこから手をつければいいのかわからないんですよね。
カメラ (レンズ) を買うにしても、カメラを買ったはいいが何を撮って良いかわからないにしても返ってくる答えは大体一緒。
「何がしたい (撮りたい) かによって変わる。」
・・はい。ある程度知識が付いて撮影に慣れてくるとぐうの音も出ないほどド正論なのは理解できるのですが、最初はほとんど「何がしたいかもわからない」と思うんですね。
いざ足を踏み入れて兎にも角にもシャッターを切って撮ってみたものの、なんだか気持ちよくない写真が出来上がっている。
「何か違う。」露出かな?構図かな?絞りかな?
その行為を否定したいなんてことは微塵もありません!
むしろ順当、量をこなすのは必須の作業だからです。
しかし、今回伝えたいことはそう言ったことではなく純粋に写真を楽しむために意識する事。
知識や技術よりもっともっと手前の段階。カメラを持っていなくても想像するだけでいい事です。
前置きが長くなってしまいましたが、ここから本題に入ります!
まったく難しくない2択で選ぶ!
タイトルや最初に書いた通り、
撮影時に、最初に意識すると面白くなる事はとても簡単な2択!
☞記録か作品か決める事
正反対の事を言う人がいるかもしれませんが、あくまでもisikiFactoryの提案です。
撮影時、「写真撮りたい!」という欲が出たらまずこの2択を考えてください。
スマートフォンのカメラでもまったく問題ありません。
なぜこの2択なのか、写真という物は大きく分けると2つの面を持っています。
・記録として残しておく為の物。
・ビジュアル的な作品として作る物。
この違いを認識して、今持っている「写真を撮りたい!」という欲はどちらの方が近いのかを自覚することで明確な意思が生まれます。その欲と意思に従ってシャッターを切ればイメージに近い写真が写っているんですね。そしてこの選択が出来るようになると写真がもっともっと面白くなっていきます。
記録
よく渋谷や新宿などの駅の壁面に「50年前から現在の渋谷」なんて書かれた写真が時系列に並べてあったりします。これは正しく記録。
時間を置くことで価値や魅力が出てきます。
身近なところでは友達や恋人と何かイベントがあった時の自撮りとか。自撮りに限らず、綺麗だったイルミネーションとかね。これも記録。
3時間後だろうと3年後だろうと時間を置くことでより一層楽しめますよね。
「この後ケンカしたね」「この頃太ってた!」だったり。
その時の様子や思い出を残して置きたいのであれば記録を選ぶ!
【時間を切り取る】と言った意味合いが強いのが記録。

例えば登山 山頂の記録
作品
一方こちらは、「こんな風になってたら面白いな」とか「モノクロでコントラストを上げたらもっと魅力的だな」とか
イメージを元に作り込みたいなら作品を選ぶ!
書店に置いてある写真家さんの写真集なんかはほとんどこちら。
そもそも言い換えれば作品集。好みの違いはあれど作り込まれているので、ビジュアル的にもとても魅力的です。
絶対に写真のようには目に映らないことでも強調 (誇張) して印象付けすることができるのでメッセージ性も生まれます。
記録とは違い、【時間を切り取る】という意味合いよりも【空間を切り取る】という意味合いが強いのが作品。

モノクロの富士山
だんだんと融合できます
最初はこの記録か作品かを意識して選ぶというだけで劇的に写真が面白くなってきます。
流行りのお店に行ったから写真撮っておこう!なんてシチュエーションの時、アナタならどちらを選ぶでしょう。
正解不正解なんてものはないですが、好きな方を選ぶ事が正解ですね!
そしてこの意識に段々慣れてくると次第と二つを融合するビジョンが浮かんできます。
例えば上の写真。何年前か覚えていませんが…
引っ越し前に住んでいる窓からの景色を記録しておきたかったのですが、さらに心情を込めて作った写真です。
記録と作品、2つの面を一枚の写真に。なので、記録でもあるし作品でもある写真です。
この写真が良いかどうかは別として、自分の中の物差しが出来てくると
そこで初めて「何がしたい (撮りたい) か」がわかってくると思います。
カッコ良くいうと何を表現したいか。表現するための手法も定まってきますしね。
個人的にRyan Mcginley氏の写真は本当に参考になると思います。
まとめ
写真の撮影時、一番最初に意識すると面白くなる事は記録か作品かを決める事。
そして、慣れてきたらその2つが融合できるようになるよ!
というお話でした。上手く撮るのではなく楽しく撮る。
本文中にも書いてある通り、これが全てではないですし「記録」「作品」という呼称もisikiFactoryが勝手にそう呼んでいるだけですので、言葉のイメージに合わないようであれば他の呼び方で意識してみてください!
現状より少しだけでも写真が気持ちよく撮れたら大成功です。
また、別の記事で絶対的にオススメのカメラも紹介します。