あれ?江戸川乱歩って読みやすくて面白い!短編集がオススメ。

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江戸川乱歩

名前はもちろん知っていたのですが、なんとなく読んだ事のなかった江戸川乱歩。
あまりに有名なので勝手に「固くて読みづらい推理小説」というイメージを持っていたのですが、読んでみたら全然そんな事ない!むしろかなり読みやすい方だと思います。

ワタシは弟に勧められて読んでみたのがきっかけになったのですが、
名前は知ってるけど全く読んだ事がない人へオススメを兼ねてご紹介します!

江戸川乱歩

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江戸川乱歩ってどんな人?

調べればいっぱい情報は出てきますので、ここではザックリとどんな人なのかを説明。

【江戸川乱歩】はペンネームで、本名は平井太郎。
アメリカ人作家【エドガー・アラン・ポー】から取ったそうです。

大正から昭和にかけての作家さんで、短編・長編共に書いています。今回オススメするのは短編の方。そして、やはり有名なのが「少年探偵団」シリーズ。内容は知らなくても怪人二十面相や明智小五郎などの名前は聞いた事があるかもしれませんね。余談ですが「蜘蛛男」なんて作品を書いているのに蜘蛛が超嫌いなんですって。

主なジャンルはミステリーやサイコホラー。
と言ってもドきつい内容ではなく、「先が気になっちゃう!」感じのドキドキです。現代でこそ映画や漫画などでサイコ系の人が出てきても何とも思いませんが、当時の社会で作品に登場するサイコ系の人がいたら相当怖い・・そんな事を考えながら読むとより面白く読めます。

 

オススメの文庫はコレ

江戸川乱歩の作品は色々な出版社から出ていますので、どの出版社のどれを読んだらいいのか迷う人も多いかと思います。死後50年経った2016年には著作権もなくなったので、より触れる機会も増えていくかもしれませんね。

そんな中で、読んだ事がない人へオススメする文庫本がコチラ!

角川から出ているベストセレクションシリーズ!
カバーが少しザラザラした和紙なのも特長です。

ベストセレクション

表紙

調べたところ恐らくシリーズは8まで出ているようですね。
シリーズの中でも、まず最初に読みたいのはシリーズ1の人間椅子!
下に少しあらすじを記載しますが、この短編「人間椅子」を読んだだけでファンになると思います。

オススメのポイントとして、
乱歩の作品にハマって揃えたくなった際も、カバーが特長的なので本棚の見栄えがよろしい!
短編を集めているので、電車の中や待ち時間などの隙間時間にちょうどよく読める!

シリーズ1は「人間椅子」を含めた8作の短編が集まっています。
人にもよりますが、1作品あたり30分もかからず読める程度の長さですので、読書に慣れていない人でも飽きずに読むことができると思いますよ!

 

内容はこんな感じ

ではここで、短編「人間椅子」がどんな内容なのかあらすじを簡単に説明します。
かなりラフに説明するのと完全にネタバレなので、知りたくない人は飛ばしてください。
それと、本物は「作品」なので、この説明よりもちろん文章的に面白いですよ!

「人間椅子」あらすじ

官僚の夫を持つ奥さんの話です。
自身は作家をしてるのですが、最近は「官僚夫」よりも有名になってきちゃったくらいに売れっ子。メイドさんを雇えるくらいお金持ちです。

毎日読者からのファンレターを読むのが日課になってるのですが、たまに「私の作品読んでください!」的な創作物も届くんですね。大概は「つまらないわ」ってスルーするのですが、今日きた作品はタイトルも作者も書いてない「奥様、」という呼びかけから始まる文章。気になって読み進めちゃいます。

で、この作品というか手紙はどうも「自分という存在の告白」のようで、差出人のことが書かれてます。
読んでみると、差出人は男性で超ブサイク。椅子職人をしているのですが腕はかなりのものらしい。ですが要所要所に「ブサイクだから」とか「ブサイクなので」と書いてあって、何となくヤバそうな匂い。奥さんも「うわぁ・・」ってなってきます。

そして、手紙が中盤に差し掛かると、自分の悪癖について語り出します。
「自分が作る椅子は高級品だから、買う人はいい生活してるんだろうな。自分はブサイクだから一生無理か。」的なことから始まり、「納品する前に椅子に座って、買い手の生活を想像する癖があるんですよ」と。

ここまではまだ可愛いものですが、ここからがまずかった。
「そうだ、自分が椅子の中に入っちゃえばいい!と思ったんです。」と告白。
自分は腕がいいので椅子を改造し、人が入って生活できる程度の空間を作るのは簡単だと。

そして、自分が椅子の中に入ったまま高級ホテルへ納品。
そんなバカなと思いますが、納品に至るまでも妙にリアルに、実現可能な方法で納品される過程が描かれています。

「いや、最初はね、高級ホテルなんで夜中に椅子から出て金品を盗もうと思ったんですよ」と、まぁ考えなくもない事を言っているのですが、「でも、もっと楽しい事見つけちゃいました。」と。

嫌な予感がするのですが、的中します。
「椅子に座る、つまり自分に座る女体に触れるのがたまらないんですよね」
案の定、完全にヤバい方の人間です。
一応、「でも何もしませんよ!革一枚隔てて触れてるだけで満足なんです」と言い訳がましい事を言っているのですが、むしろそっちの方が怖いだろと。奥さんも鳥肌立ちっぱなしです。

さらには、「これは自分に許された恋の形です。でも、このホテルは高級なんで外国人が多いんですよ。自分は日本人なんで、日本人の女性に恋をしたい。」といよいよ狂気めいた発言をしてきます。

この差出人、かなりの強運の持ち主なのか
「ラッキーなことに、この椅子が競売にかけられることになりまして、なんと!お金持ちの日本人が買ってくれたんですよ!」

 

すでにピンときているかもしれませんが、奥さんもこの時点で書斎から居間へダッシュ。
恐る恐る続きを読むと

「気付かれたかもしれませんが、そうです。あなたが毎日座っている椅子、私の恋人はアナタなのです。」

完全に狂気の沙汰です。
「奥様が座ったまま寝てしまった時はちょっと揺すってたんですよ」などとラブコールが書かれているのですが、一層ヤバい。

そして、この狂気の締めくくりに

「私の恋は激しく燃え上がっています。実は昨日の夜にこの椅子から抜け出してこの手紙を書きました。一生のお願いです!ブサイクな私に、一度でいいので直接言葉を交わしてくれないでしょうか。他には何もしません!ブサイクな私に慰めの言葉をもらえればそのまま死んでもいい!外で待ってます!

いや普通に考えて、絶対に嫌でしょ。
しかも今までずっと自分の下にいて、隔たりがあるとはいえ体に触れていたなんて考えたら怖い&キモい以外の感情が出てこない。

奥さんも「ヤバい…ヤバい…どうしよう」と思っていたところに、メイドさんが声をかけてきて・・

 

続きはぜひ読んで!

メイドさんが声をかけてきたあと、物語はまさかのどんでん返しが起こります。

ワタシが最後まで読んだ感想は、「え?…どっち?」でした。
そのあと、どっちなのか結構調べてしまったほど。

ワタシのあらすじ説明では、かなりラフな言い方で内容を端折っていますが、実際の作品はもっと細かく描写されているので、狂気の様子がより鮮明にわかります!文章自体も昔の言葉遣いをほとんどしていないので、特に困ることなく読み進めることができます。

簡単なあらすじ説明でしたが、ちょっと読んでみたいかも!と気になった方は是非!
本編と続きを読んでみてください!

 

まとめ

いかがだったでしょうか、
ワタシも今まで一度も江戸川乱歩の作品を読んだことがなかったのですが、
いざ読んでみると想像と違い、読みやすくてすごく面白い作品でした!

名前は知っているけど読んだ事がない人はぜひ読んでほしい!
この記事が乱歩作品のきっかけになればいいなと思います。

江戸川乱歩

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